店も賑わいを見せる頃、割とよく来るMaryViareが入ってきた。MaryViareは店内中のマダムに投げキッスをし、差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

MaryViareは何故か自分の携帯電話が鳴ることに酷く怯えているようだった。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人のプリンスが店に入ってきた。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

そう言って小粋なステップでダンスを踊った。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。この二枚目が話すことといえばいつも淑女の事だ。

そういう話は自分の胸に閉まっておいたらどうだ。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

可哀想だが私は全然話を聞いていなかった。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある野郎が入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。何を思ったのか女王様の話しをはじめた。

この台詞に何の意味があるというのか・・・・・・。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の御曹司が店に入ってきた。JeromeGainiと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

私に何か期待している口ぶりだ。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがある貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。Edwardwhestは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

・・・そして無情にも時は流れていった。

店も賑わいを見せる頃、見馴れない一人の男の子が店に入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。この男の子が話すことといえばいつも箱入り娘の事だ。

終始口元を押さえている。口臭を気にしているようだ。

店も賑わいを見せる頃、何回かこの店を利用している坊主が入ってきた。まあ良い噂を聞いた事が無いのは確かだ。RobertBonはいかに美人というものが素晴らしいかを主張し始めた。

RobertBonは人の話を全く聞こうとしなかった。

店も賑わいを見せる頃、前に見たことがあるホモが入ってきた。随分とご機嫌な様子だ。得意万面で初恋の話をしだした。

「ゴミだって燃えるんだよ！」ホモはそう言いたかったに違いない。