遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の紳士が店に入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

RichardKedは後半部分は殆ど壁に向かって喋っていた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の色男が店に入ってきた。色男はチャック全開に気づいている様子もない。ChrisLixは私を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

私はその場を逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある英雄が入ってきた。腕に恋人の名前が彫ってあるらしい。・・別れた恋人のだが。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

自虐的ジョークがお得意のようだ。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の若者が店に入ってきた。RobertZemは終始腰を左右に揺らしている。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。Kaylawesteは今の仕事の無職を辞めたいというような話をしてきた。

なかなか話し上手な未成年だ。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の中年が店に入ってきた。ElizabethCahはウィンクを店にいたレディに送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、レディから教わったというナツメロを歌い出した。歌詞の内容はこうだ。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の男性が店に入ってきた。RaymondWhaveは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

この男性は金の話しかしてこない。

まだ日も高いうちに、前に見たことがある貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

脇役でさえ時として物語にいい台詞を残す。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の男が店に入ってきた。BenniePahは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。無職という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

そう言いながらも目線は先ほど店に入ってきた女性に釘付けである。

まだ日も高いうちに、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。Katrinanexはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

何を語っても冴えない未成年だ。