大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の男の子が店に入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。GarryKekはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを明読し始めた。

・・・完全に正気を失っていた。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の英雄が店に入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

その非情な目が見つめ続けてきた哀切な過去の結末とは・・。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある御曹司が入ってきた。今夜は最悪の気分だ。自分の人生が今までどんなに不幸だったかを延々と話し始めた。

ご高説をありがとう。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある英雄が入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。HerbertMouffは独り言をブツブツ言いながらテーブルについた。

相変わらずうんちくをたれるのがお好きのようだ。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の巨漢が店に入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

BryanSweseは後半部分は殆ど壁に向かって喋っていた。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。MetabolicFreedomStoriはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

もう少しかいつまんで話してもらいたいものだ。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の紳士が店に入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

自虐的ジョークがお得意のようだ。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある英雄が入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。この英雄が話すことといえばいつも生娘の事だ。

だがその目元は全く笑っていなかった・・・。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の女殺しが店に入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。荒ぶる魂を押さえつける事が出来ないのか私にそれをぶつけてきた。

女殺しには二度と口を開かないでもらいたい。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の未成年が店に入ってきた。未成年の美貌に店内中のオバサンが息をのむ。額、首筋、わきの下を一通りハンカチで拭くと、唾を飛ばしながらこう言った。

・・・異次元の何かと交信しているに違いない。