大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。Thomasdiemaは私を見つけると嬉しそうに近づいてきた。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の彼氏が店に入ってきた。最近、肉体に衰えを感じると嘆いているらしい。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

そう言って自分の頭をコツンと殴りエヘッと笑ってベロを出した・・・。

大分夜も遅くなった頃、割とよく来るOscarfussyが入ってきた。着やせはするが、体には自信があるらしい。Oscarfussyは辺りかまわず罵った。

この時のこのOscarfussyの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの私には予想すらできなかった。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。何を思ったのか女郎の話しをはじめた。

冗談にしては笑えない。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある未成年が入ってきた。この界隈じゃ恋人にしたくない未成年ベストテンに入るらしい。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の巨漢が店に入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。無職という職業が気に入っているらしくこんな話をはじめた。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

大分夜も遅くなった頃、またLhanewakがやってきた。Lhanewakと言う名前らしいがどうせ偽名だろう。Lhanewakは辺りかまわず罵った。

家族を捨て、故郷を捨て、そして自分さえも捨てようとしている。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の彼氏が店に入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。BurtonTusは誰から聞いたかわからない噂話をはじめた。

世も末だ・・・。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の中年が店に入ってきた。MichelleDrundはウィンクを店にいた小娘に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、MichelleDrundはいかに小娘というものが素晴らしいかを主張し始めた。

そう言ってMichelleDrundは不気味にはにかんだ。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある色男が入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。Robertvaxは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

何度も聞いた話だった・・・・。