遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある貴公子が入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

ここにも一人、季節の終わりに取り残された貴公子がいた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、何回かこの店を利用しているジェントルマンが入ってきた。断っておくが、この店はこういう客ばかりじゃない。得意万面で初恋の話をしだした。

未だに過去にすがって生きている。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある二枚目が入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。私を嬉しそうに見つめ、もったいぶってこう言った。

股間を掻くのだけはやめてもらいたいものだ。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の二枚目が店に入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。DanieltiTはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

もうそんな事を言う歳でも無いと思うのだが。

遅い昼飯でも食べに来たのか、何回かこの店を利用している男が入ってきた。CliftonJagは数人の愛人をはべらせ上機嫌そうにだ。この男が話すことといえばいつも彼女の事だ。

要するに誰かの悪口が言いたいのだろう。

遅い昼飯でも食べに来たのか、見馴れない一人の彼氏が店に入ってきた。近所のガキどもを集めては金を巻き上げている。そういう話だ。Josephfamは1歩もその場を動こうとしなかった。

この時のこのJosephfamの台詞が果たしてどんな意味を持っていたのか・・・。そのときの私には予想すらできなかった。

遅い昼飯でも食べに来たのか、何回かこの店を利用している英雄が入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。Ralphglichは思い出したかのようにこう言い出した。

冗談にしては笑えない。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがあるガキが入ってきた。どこにでもいるような人間だ。WillieEcoloは今の仕事の無職を辞めたいというような話をしてきた。

そう言って口の周りをゆっくり舐め回した。

遅い昼飯でも食べに来たのか、前に見たことがある男の子が入ってきた。長生きするとこういう客も珍しくない。私のむなぐらをつかむと今にもあばれそうな勢いでこう言った。

「誰も自分を分かってくれない・・」最後にそうつぶやいた。

遅い昼飯でも食べに来たのか、割とよく来るRobertbefが入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。Robertbefは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

私はこの時のRobertbefの笑顔を未だに忘れない。