大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の男性が店に入ってきた。店に入る前からSelenaSicは酔っ払っていたらしく、来てそうそう床に吐いた。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

事実だとしたらかなりやばい話だ。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の女殺しが店に入ってきた。一癖もニ癖もありそうな人物だ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

これ以上は暴力的発言が多かったので省かせてもらった。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人のオヤジが店に入ってきた。無職仲間の間じゃそうとうの実力者だそうだ。なぜか、宝塚口調で喋り出した。

そう言いながらEdwardsoilsは恍惚の表情を浮かべた。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の老人が店に入ってきた。一見してカタギじゃないことが人相で分かる。AnastasiaMurceは1歩もその場を動こうとしなかった。

昔はもっと素直ないい子だったのに・・・。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある色男が入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。ChrisJugはライムを織り交ぜてリズミカルにこう語った。

今夜が一段と冷えるのは深々と降り積もる夜雪のせいだけでは無いだろう。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある野郎が入ってきた。この辺りでいい噂は聞かない・・・。AndrewCaumbはガタイに似合わず甲高い声でこう言った。

笑って許してやるだけの寛容性も必要だ。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがあるジェントルマンが入ってきた。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。私しか話し相手がいないのか真っ先にこちらへやって来た。

・・・不様としか言いようが無い。

大分夜も遅くなった頃、前に見たことがある中年が入ってきた。GeorgeRemはウィンクを店にいた老婆に送り（片目だけのウィンクはできないらしい）、タバコをもみ消すともったいぶったようにこう切り出した。

はい、お疲れさん。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の貴公子が店に入ってきた。聞いたこともない会社のこれまた聞いたこともない肩書きを持つ。Jessiesibはスラム街のど真ん中で聞いたという儲け話を始めた。

この貴公子からこの話が出てくるとは思わなかった。

他の客も酔いが回ってきた頃に、何回かこの店を利用しているオヤジが入ってきた。EdwardFumという名前は覚えるのに一苦労だ。バーボングラスをみつめながら、つぶやきはじめた。

人間もここまで落ちぶれると大したものである。