大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の巨漢が店に入ってきた。不幸を絵に描いたようなタイプだ。何を思ったか自分は戦前の生まれなんだと激しく主張しはじめた。

本当はこのようなこと一言も思ってはいない。口先だけの巨漢だ。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の英雄が店に入ってきた。多分以前に別の客の連れで来た事があったはずだ。一枚の写真を取り出すと、目に涙をうかべて話しはじめた。

愛を捨てたNicholasnorryの言葉はあまりにも悲しかった。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人の巨漢が店に入ってきた。こう見えても金には汚い。TeddyDewは何を思ったか一冊の本を取り出し、私に聞こえるよう朗読し始めたのだ！

その横顔は若かりし頃のTeddyDewの母親に瓜二つだった。

大分夜も遅くなった頃、見馴れない一人のミスターが店に入ってきた。自分の事を素晴らしくモテるタイプだと勘違いしている。VictorTwemsは最近の女郎がいかに腹立つかを力説しはじめた。

店内の客全員がVictorTwemsを優しい眼差しで見つめていた。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の若造が店に入ってきた。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。Jessierhireはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

まるで悲劇のヒロインだ・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の女殺しが店に入ってきた。この女殺しにつかまったら大概の女性は人生の地獄を見る。得意万面で初恋の話をしだした。

この女殺しもたまには語りたいのだろう。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人のダンディが店に入ってきた。今夜は最悪の気分だ。JerriLipはあふれる涙を拭こうともせず、ただこう言ったのである・・・・。

このJerriLipというダンディはどうも何かを隠している・・・・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の貴公子が店に入ってきた。RichardShillという名前は覚えるのに一苦労だ。私にペコペコお辞儀をすると童子のような眼で語り出した。

台詞がどれだけ立派でもこの貴公子が言っては・・・・・・。

他の客も酔いが回ってきた頃に、前に見たことがある色男が入ってきた。インテリを装ってはいるがかなりワルそうだ・・・。私に顔を近づけると口臭を放ちながら喋り出した。

慰めはいらない。要はそれが言いたいのだろう。

他の客も酔いが回ってきた頃に、見馴れない一人の男が店に入ってきた。ChrisDugというふざけた名前の男だ。ChrisDugは最近の女王様がいかに腹立つかを力説しはじめた。

ChrisDugはその曇った瞳で何を見ていたのだろうか。